この類いのレストランは、今となっては稀である。かつてあったレストラン、という分類に、ゆっくりと仲間入りしていくレストラン。来年の夏、信じられないが、ドミニク・ベルジニのレストラン「カーサ・オランプ」が閉店する。額に手をあて、「しまった。最後のディナーを逃してしまった」と失望する人も出てくるはず。だから、今月はずせないレストランリストに早速入れてしまおう。パリのガストロノミーに大きな影響を与えた「カーサ・オランプ」。今行かないと、もう取り返しがつかなくなる。オランプは、1970年代に活躍した著名な料理人の一人だった。抜け目のない、正直で熟練した料理が、客を喜ばせた。彼女の本「ラ・カーサ・ドランプ」は、本当に質のいい料理本として、今後も読まれ続けていくだろう。
鯛の照り焼き、レモングラス風味
ドミニク・ベルジニの料理の長所は、主題がわかりやすいことだ。風味深く、活き活きしていて、いかにもうまそうな鯛が、丸ごと一匹出てくる。うますぎて、最後の方は、素手で小骨をとりながら食らいつく。最後には、頭とひれ以外、何も残らない。我慢できない美味。これこそ、常識のある料理である。
客層
スリッパで、家をでてきたような人や、元気一杯の人、友達グループ等、近所の人が多々。いい雰囲気。
行くべき?
当然!
価格
作り手がはっきりわかる料理のコースメニューで48ユーロは、許せる。
CASA OLYMPE
48, rue Saint-Georges - 75009 Paris
Tel : 01 42 85 26 01
土日休
メトロ : Saint-Georges.
Photos/F.Simon