ハムバターサンドとはなんぞや。
時々、贅沢な注文をしているような幻想にかられる。
それは、一昔前を思い起こさせる無邪気な食ベもの。その時代は、バゲットパンがうまいかまずいかのどちらかで、今みたいに3種類もの選択肢はなかった。今日では、妥当な質のものを手に入れるためには、「伝統的高級バゲット」を注文しなければならない。
サンドイッチにしても同様のことがいえる。
よりシックなバージョンの登場で、プロレタリア的サンドイッチはすべて見捨てられてしまった。ある店では、店員がもうその類いのサンドイッチは販売していない、と申し訳なさげな顔をするような、スノビズムさえ目のあたりにする。
その代わり、具がたくさん詰まったバージョンが、流行カラーのセロファンに包まれて、カルティエ並みの価格で店頭に並ぶ。
しかし一方では、世代を越えてしっかり生き残った優しさの避難所が、まだいくつか存在している。
フィガロスコープのために、30種以上ものハムバターサンド試食会をおこなった。バゲットパンのプロ、ゴントランド氏を迎え、コレット・モンサ、アレクサンドラ・ミショと共に、ミーティング室の一角で、パンドミ、パンのみみ、ハム、バターの質をじっくり吟味した。その結果は・・・。
コメント