レストランを開店したはいいものの、軌道にうまく乗ることは容易ではない。
なんと言っても、ガストロノミーがその通り道を妨害してしまう。パリに存在する100件ものレストランの中で、テーブルに至るまでの道々にバリケードがないレストランは数えるほどだ。そんな多くの運転免許保持者たちを押し分けて進むにはどうすべきか。
4つんばいになって進むか、気分転換しに旅にでるか、どこかのシェフみたいに黒い帽子をかぶるか、料理評論家と結婚するか・・・。
でなければ、アラン・パッサールで修行を積んだ、このシェフ三人組みたいに、ジョフロワ=ダバン通りに店を開くのもいい案だ。
店の名前は、ラガペ L’Agapé。
最高の食材をつかった、一つ星並みの料理が頂ける。
アスパラガスとコロンナータ産ラードの料理や、ソローニュ地方産の子鳩料理は素晴らしかった。ローズマリーがいい役目を果たしていた。
完璧だったが、おかしなことに、後でちょっとやり過ぎじゃないかとさえ感じてしまった。大きなたいまつが目の前を通ったのに、強く拍手をしそびれた感じ。
このレストラン、スタートダッシュがかなりよかったのだろう。運命に向かって突き進み、純粋でわかりやすい、ガストロノミー界のフィクションへ、見事に仲間入りできた。批評、称賛、ガイドブック、チョコレートのメダル。
足りないものは・・・活気だけかもしれない。
L'Agapé
51, rue Jouffroy-d'Abbans – 75018 Paris
T. 01 42 27 20 18
土日休
メトロ Wagram
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