もし東京の築地市場をご存知なら、ソウルの魚市場はそう大したことはないと感じてしまうかも知れない。
規模はかなりのものだが、築地にある叙事詩的な魅力がここにはない。どこかパリのランジス市場に似ていて、食材を外に排出し続けているだけの雰囲気が漂う。
ここでは、独自に魚を購入してから、近くにある小さなレストランでそれを焼いてもらうのが風習らしい。
そこでぼくらも、かなり庶民的でまっすぐに無邪気な店を一軒見つけて入った。
ここでもまた、鱈の刺身を食べるときでさえ、葉っぱや野菜が必ず添えられてくる健康志向。
2日とちょっとで早くも帰国。
街は、揮発性の何かとメランコリーが行き交う絶え間ない動揺の中で、強くて心を乱されるなにかが常に存在しているのを感じる。
Photos/F.Simon
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