ここはヴィクトワール広場近くのマイル通りにあるレストラン「ジョルジュ」。
シンプルな話が、僕はかれこれ20年はここへ通っている。そしていつも同じものしか頼まない。ここで言う「いつも」は、本当に「毎回」という意味だ。
人にはそれぞれリフレインすることがあり、そこをどうしても通ってしまう事柄がある。
まるでまじないごとだ。
そしてこれこそ僕のバージョン。雨が降ろうと、雪が降ろうと、今日みたいに蒸し暑い6月だろうと、マイユ特製ステーキとポテトを頼む。
この店は僕のかなりのお気に入りで、とくに入り口にある窓際のテーブルはいい。
この類いの料理は、外国に旅行へ出たときに食べたくなる料理である。飛行機から降りると同時にここへトランジットして、時計の針をあわせながら胃袋に感謝しよう。
思いやりあるおもてなしに、ブルジョワかファッション関係者といった気品ある客層。
厨房にはいつもどおりブルターニュ男児のアランがいて、いやでも顔なじみになってしまった。
もうすぐ定年退職するという。だから今のうちに食べておかないと。
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