きっといつかはお金で痛い目に会う日が来るのだろう。そうでなければ、ルレ・プラザへ通う日々が訪れるかだ。
ここですれ違う、今は息切れしてしまったいい年増の男達は、若い頃今の自分を夢見ていたに違いない。
そんな時代が僕に来ても、サービスディレクターのワーナーがいたらいいのだが。
毎回彼と顔を合わせるたびに自転車の話になる。彼は自転車狂だ。
かの66号線を滑走したり、アルプスの急斜を前につんのめりながら急降下したり、そんな類いのスタイルが好きらしい。そういえば、一緒にマクドナルドにも入ったっけ。
そのときに書いた記事はどこにしまったかは覚えていないが、彼とはずいぶんいい時間を過ごした。
前回ここへ来たのは、シェフ志望のピエールとだった。
レストランとはなんぞやをここで教えてやった。客を考慮してつくられたメニュー、クラシックな価格設定、そして効率の良さ。
たしかに客層は冗談がきかなさそうなタイプばかりであるにしても、僕にとってここがもっともパリらしいレストランの一つであることには変わりはない。ブロンド色の明かりやセピア色の雰囲気が、フォークを持った手を不動にさせる。
そんな時代がくるまで、僕は僕でたくさん仕事をこなさなければ。
Relais Plaza
21, avenue Montaigne 75008 Paris
T. 01 53 67 64 00
決して安くはないから、50ユーロのコースメニューがおすすめ。
Map
Photos/F.Simon
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