フルヴィオ・ピエランジェリーニと一緒に紹介した2件のレストランは、前置きに過ぎない。
彼は、十数年前に僕がサン・ヴィンチェンツォで発見した驚異的なシェフだ。それで僕は、彼をもとに「トスカン」という小説を書き上げたくらいだ。
以来、機会を見ては再会していたが、ローマでの再会は稀な出来事だった。彼は、ローマにあるホテル・ド・ルシーのコンサルタントをしている。大手チェーンのロッコ・フォルトのホテルだ。
神話的な庭園に僕らが到着したのは10時だった。
そこで、さっと姿を消したフルヴィオは、地獄のような3皿を用意していた。
特製エビのスープ passatina di gamberi, キノコが添えられたシンプルな魚の一皿、胡椒とチーズのラビオリ、そしてコーヒーのアイスクリーム。
ムルソーの口臭のなか、気絶してしまえそうだった。
翌日、ヴィッラ・メディシスで、深夜に僕を待ち受けている劇的なトリマルキオの饗宴の再現も、もうぼくの頭の中をかけめぐっていたけどね。
Hôtel de Russie
via del Babuino, 9 I-00187 Rome (RM)
T. +39 06 3288 8830
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Photos/F.Simon
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