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ダマスにいた僕は、アレッポへ発つまでまだ数時間あった。
だからタクシーに飛び乗り、ノウラ地区にあるパティスリー、セミラミへと向かった。
僕は、この類いの人口密度の高く、強迫的な場所が好きである。
甘いものに目がない客達が、甘い地獄の底へ落ちながら、鏡をこえたところだった。
快感。
それでも、店内は大理石のような冷たい冷静さを保ち、販売員は要領よく、こちらの好みを当てながら、目をむくほどにうまいバラやピスタチオのお菓子をサービスしてくれる。
僕以外はみんな団体客だった。
Photo/F.Simon
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