毎回東京に来て、僕が心動かされてしまうことの一つに、「情熱」がある。
戸を開けたり、クレジットカードを返却するような単純な仕草にさえ、情熱を感じる。そこに生命がある、とでも言うように、究極な気の遣いようが感じられる。
写真の青年がいい例だ。皿を置く仕草にさえ、感情が込もっている。だから僕は、こんな日本に感激してしまうわけだ。30秒ごとにそんなことが起こる夜には、僕の体は、揺すぶりかえる大聖堂に変身する。極度の心遣いと気配り。
だから僕は、いつもとは違う風に、街へと飛び出す。どんな風に違うのかは、未だに僕もよくわからない。きっと、もっと濃密で、もっと情熱的なんだろう。
Photo/F.Simon
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