一昔前、この場所は、かの有名なラパン氏の店だった。「ゴーとミヨが嫌いな店」というレッテルが貼られていたのを、よく覚えている。
今日、レーザーの明かりがともされ、快適でコンテンポラリーな場所となった。気持ちよく深呼吸できる空間。壁にくぼみがあるところのテーブルが、一番人気だ。
接客は、オーナーの一人、ジェローム・コブー Jérôme Cobou が受け持つ。アストランス、ジャマン、メゾンブランシュ、オテル、等で経験を積んだ。にこやかで堅実で、チーム全員、すごく感じがよかった。
料理は、「オテル」に、一つ星をもたらせた、フィリップ・ベリッソン Philippe Bélissent。自発的で、食材に装飾をかけただけの、韻と風味をうつ料理。小鳩の火加減は最高だった。血液とでもいえるような色のソースは、人食い人間なら喜んでパンをソーセするだろう。
デザートも活き活きとして、パリ=ブレストは、簡潔だが、誠実だった。
客層は、ワインにうんちくうるさい、伝統的とでも言えるような厄介者のブルジョワたち。食にナルシシックで、同席者からの尊敬を得ようと、店員に冷や汗をかかせるような悪党たち。
夜は、値段間隔の狭い選択肢の中から選ぶ。(55ユーロ、75ユーロ、95ユーロ)しかし、一度入ってみると、前菜、メイン料理、そしてデザートも入れて、普通のディナーが味わえる。
料理は、すごくうまかった。おすすめの一件。
Cobéa
11, rue Raymond-Losserand - 75014 Paris
Tel : 01 43 20 21 39
日月休
メトロ Gaîté もしくは Montparnasse
Photos/F.Simon
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