もし、こんな状態が続いていくようなら、ガストロノミーの世界は素晴らしいものになるだろう。親切心が帰ってきたのだ。もちろん、おなじみの、傲慢で、うざったくて、本当につらくなるようなレストランは、今でも十分存在する。僕らが既知の、フランス料理のレストランや、ビストロだ。その中でも、少しずつ、事態を把握しかけている店も存在する。しかし、親切心がしっかり浸透するまでは、もう一世代かかるだろう。
パリで外国料理を出す、新顔レストランは、元気で笑顔のいいサービスが、特徴的だ。たとえば、英国バーの「アルビオン」、ワインバースタイルの「フィッシュ・ラボワソノリー」、「スミラ」等。
彼らのご機嫌度のおかげで、食事が一段とおいしくなる。だから、今まで考えられなかった話だが、レストランで、快適な思いができてしまう。この喜びをもっと味わうために、デザートを頼んで、カフェを頼んで、またもう一杯、カフェを頼む。それでも、まだ帰りたくないくらい。
この新しい傾向の発端は、単純にも、「常識」からきている。レストランは、服従の場でもないし、命令される場でもない。状況によっては、この「常識」のおかげで、まずい料理までが、おいしく思えてくるかもしれない。
Albion
80, rue du Faubourg-Poissonnière
75010 Paris
Fish La Boissonnerie
69, rue de Seine
75006 Paris
Semilla
54, rue de Seine
75006 Paris
Photo / F.Simon
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