一年前、悲劇の地、福島へ行くという、前代未聞のチャンスに恵まれた。この事故から、ゆっくりとしかし確実に、落とし穴へ吸い込まれていくという事実を、僕らは学ぶべきだった。あれから一年たった今、フランスでは、ケダモノを殴り殺すようなやり方で、自らを崖っぷちへと追いつめ続けている。福島は、当時よく目にした、若い女の子が毛布をかぶって途方に暮れている姿とともに、どこか遠くで起こった出来事になってしまった。悲しい話だ。一年経った、今日のこの日を、無駄にしないためのいいニュースと言ったら、来週から再度日本へ発つことが決まった。新しい店も数件紹介しようと思う。
Photos/F.Simon