ようやくジャン=ポール・エヴァンのサロン・ド・テが再オープンした。こうなっては、小さなスプーンの小槌が振られる姿を初日に見に行かなければ意味がない。
なるほど。
ミルク風味のムース・オー・ショコラは、むちゃくちゃ軽くて空気みたいなのに、チョコレートの味もしっかり効いている。カカオ豆の味を再構成させた見事な仕事ぶり。
赤果実の香りがちょっとだけするのは気のせいか。本当は、何も混ざっていない正真正銘のチョコレート。
いい時間だった。
もうすぐ新作が発表されるらしいが、チョコレートのタルトを頼むなら、迷わず温めてもらおう。
こうしているうちに、完全にコントロールが狂ってくる。まるで、パンを真正面から投げつけられたみたいに過酷な感覚。客観的に見れなくなって、チョコレートの壁に埋まってしまった感じ。
これはおかしな経験だった。
完璧に闖入されて、舌は大きなショックを受けていた。
チョコレートは静脈に注射をうつくらい過激で、やっぱり阿片くらいうまいものだ。
Jean-Paul Hevin
231, rue Saint Honoré - 75001 Paris
T. 01 55 35 35 86
www.jphevin.com
Photo/F.Simon
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