最悪な状況下で、僕の目は美なるものに引かれていった。まるで贖罪をするかのように。
不幸のどん底から抜け出して、昇華していく。静寂になった大災害。この想像を絶する状況下で、今回、超越した人達を、しばしば見かけた。まるで、自然へ仕返しをしているかのような。
今回、僕が写真を撮って回ったのは、悲劇的な状況下にも、ボランティアの人たちがどんなに輝いているかをお見せしたかったからだ。いい笑顔はもちろん、最悪なコンディションの中で、精一杯の事をしたいという思い溢れる方々の表情を写した。写真を撮らせてもらえないかと、一回一回尋ねてまわったことに、後悔はない。がれきの中で見つけた笑顔を少しお見せしよう。
下の写真の女性は、春一番の厳しい風をあおりながら、お年寄りを肩にかかえて移動させては、看護していたが、マスクを下げていた僕を、怒鳴りつけることも忘れなかった。
まさに、本物のコミュニティが生まれる瞬間。
Photos / François Simon
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