心構えはしていたものの、津波が襲った石巻市を見たときのショックは大きかった。平地になってしまった場所もあれば、剥ぎそられて、折りたたまれた家が重なる風景も見える。カメラマンのブノアと一緒に、フの抜けたような状態で、車の中からそんな光景を目の当たりにした。小低木に必死にしがみつく「物体」になったような気分で。しかし僕らは生きている。この大災害での教訓だ。これについては、次回、またゆっくりお話しようと思う。
その一方で、腰の抜けるスペクタクルを前に、すばらしい崇高さをもった、ボランティアの人たちがいる。自然が牙を剥いた瞬間に、立ち向かおうとする人たちだ。
Photos / François Simon
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