いろんな意味で、ガイドブックからきれいに洗われたり、磨きをかけられたりしながら、この地方に存在するレストランの数は滴り落ちるくらいある。
今夜のレストランを選びながら、めまいさえ起こしてしまう。
ちょっとやりすぎなくらい、その数は本当に多い。
いつものことながら、今回もどの店を予約するかに頭を抱えた。
それぞれ大して違いのないりんごや洋梨や編み物の小物たちが、ずいぶん目を引く南の市場を通り抜ける。
オンフレール港の、あるクレープ屋。
まだ厨房の人間が、粗末なまかない料理を口の中に流し込んでいるのを目にしたら、彼らが作るガレットの状態を想像してもいいだろう。
乾いていて、荒っぽくて、本当にまずい。
平凡ながら、入る店を間違えた。
そんな場合には、完全防備してさっさとその場を去り、たとえば、このリスクのないこの2件なんかに向かえばいい。
もしここの料理に満足しない方がいたら、コーヒー代は僕が返金しよう。
1件目はレストラン、サカナ SaQuana。
オンフレールのアメラン広場にある。
この店は、新世代の料理が頂ける店の部類に属している。
つまり、はっきりしていて余分なものを感じさせず、抜け目がない料理。
おかしな話、日本のミシェル・ブラ出身、アレクサンドル・ブーダを止められるものは誰もいないようだ。
40ユーロの信じられないメニューに隠された、風味高い砲撃の数々。
コリアンダー、プラリン、ミント、ひよこ豆、レモンのコンフィと一緒に盛られたケフィアの一皿。
アサリとアーモンドの香りがする室温の牛乳と一緒に、エチュベしただけの鯛のフィレ。
ムースだった甲殻類のブイヨンソースが添えられた、鶏肉のロティー。
フロマージュ。
煎った栗ベースのホイップクリームと、カカオとノワゼットが添えられた、冷製秋の栗カボチャのカルパッチョ、等々。
今年一番のレストラン。
最高だった。
もう一件は、こことは全くタイプの違う店だ。
次回発表!
SaQuaNa
T. 02 31 89 40 80
www.alexandre-bourdas.com
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