ここ数ヶ月、オペラギャルニエのシェフ委任について、"機密料理クラブ" では議論が耐えない。
抜群の環境に、最高なテラス。
コスト兄弟や、ムーリスのヤニック・アレノが、このポストを狙って息を切らしていた訳がわかる。
今日、料理は、皿の上にのっている物体よりも、そのイメージの善し悪しだけで、評価が決まってしまう傾向にある。
そこで、ある有名シェフの料理が複数のレストランで食べれるようになり、そのシェフの名前が刻まれたインスタント食品が登場し、少しずつだけれど、どんどん現実味を失っていく。それでも、皿の上の料理はおとなしそうに順応し、大抵の場合は僕らもそれなりのものが食べられるわけだが、少量で加熱殺菌されている料理に、げっそりさせられることもある。
つまり、博物館のケースの中に並べられたような、今日の高級ガストロノミー。
まもなく、オペラ座の幹部が3番手候補者に採決を下す予定だ。
その影に潜むのは、「スパイシー」や「フィンディ」等、パリに数あるレストランの経営者、フランソワとジャン=フィリップ・ブラン兄弟。イベント関連で名の高い、アディ・バクチアと協同して、リヨンの著名シェフ、ニコラ・ルベック Nicolas Le Bec を推薦していたのだ。
ニコラ・ルベックは、確かに根強い才能をもったシェフだ。あまりにも賢明で美しすぎる野望の波に乗って、偉大な二重の仮面を操ることになるだろう。
ブルターニュ出身の35歳。
ニコラ・ルベックは今週、リヨンのグロレ通りにある今のレストランを売りに出した。そして6月には、サンテグチュペリー空港の800平方を使って、エスパス、ル・ベック Espace Le Bec をオープンさせる。
また2009年には、サオンヌ川沿いで、旧サラン・デュ・ミディのすごい建物(1000平方)を使って、その2号店をオープンさせる予定だ。インテリアは、イギリス人ユニット、ジャコブJakob +マックファーラン MacFarlan が担当する。
このシェフ、ガストロノミーの世界から身を引くのかと思いきや、20席限定という究極なプライベートディナーをサービスするレストランも始める。いい意味での、庶民的な料理が頂ける予定だ。ブラッスリー料理ではないけれど、誰にでもわかる料理。
オペラのレストランは2009年7月にオープン予定。
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