やっと、ロンドンのコンノートホテルに、エレン・ダローズのレストランがオープンした。
内装は、コンテンポラリーなクラシック風に全改装され、明るい部分とランプのかさが作る暗い部分がうまく融合した雰囲気。
大金がそこいら中にがぶがぶ使い込まれたに違いない。
さて問題の料理は?
赴く前から、僕はパリよりもいいものが食えるんじゃないかと予想していた。大抵のシェフたちは、遠方で束縛から解放される傾向にあるからだ。
ベトナム風のブイヨンは、まさにその原理を象徴する一品だった。ショウガでマリネされたカブと一緒に運ばれた、ラカン産子鳩の一皿もすごくよかった。
しかし・・・デザートに頂いた黄桃とピスタチオのアイスクリームの一品。口の中に馬金をきっちりはめられたみたいな幻想に陥った。砂糖が歯にくい込み、まるでコンクリート固めにあった気分だった。
会計は1人で136パウンド。
これにはひどく苛立ってしまったが、澄み切った感じとジェットセッターなこの雰囲気が、ロンドン住人が待ちこがれていたものに違いない。
サービスは完璧。
そこで疑問。この料理を試食するためにさて、ロンドンまで足を運ぶ人がいるだろうか。
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