このレストランで一番圧倒されるのは、なんと言っても卵マヨネーズの値段だ。
90サンチーム。
カルトに並んだ他の料理は、棒でぶん殴られるくらいこの値段からは程遠いというのに、卵マヨだけがこの価格にとどまっているの理由は、メゾンが客に忠実である証拠だ。
ちょっと前までは5フランとちょっとで、その時代から値段が変わっていないという。嘲笑的でおかしなエレガンスの一環。
半分に切られたレタスが添えられて、卵は粗切りでは出てこない。レタスと手で摘まれただろう野菜とよく火の通った卵と卵のソースが、口の中で混ざり合って、まるでオペラ鑑賞。
このナイーブな気前の良さは、ちょっとバカにされているような気さえするが、用心深い客への見事な屈辱になっている。
Le Voltaire
27, quai Voltaire - 75007 Paris
T. 01 42 61 17
Photo/F.Simon
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