もうご存知だとは思うが、この類いのレストランは、頻繁には来れない。それらの店は、実際には存在し、メディアには頻繁にはやし立てられ、料理評論家を喜ばせる。しかし、なんと予約のとれないことか!牢屋の冷酷なドアを押す方が、よっぽど簡単に思えてしまう。この類いのレストラン、コペンハーゲンなら「ノマ」、パリなら「フレンチー」と言えるだろう。電話をかけても、なかなか出ないし、やっと生の声が聞こえたかと思うと、2ヶ月の予約待ち。それでも、というのなら、おすすめが、店の前にある「フレンチー」のバー。タパスなど、レストランのエスプリと魔法のような味付けが、少しでも味わえる。問題は、予約が不可能なこと。だから、サービス開始直後が狙いめだ。正午ちょうどについた僕は、夜のサービスしかないことをそこで知り、面食らったが、その2日後、気を取り直して19時10分に、店に着いた。レストランは営業していたが、既にほぼ満席。「立ち席はまだ開いていますか?」2人分のスペースだけかろうじて確保できたものの、自転車を停めに外へ出て、戻ってきたときには、もうそのスペールはなくなっていた。
料理
人参、オレンジ、アボカド、ピーナツのサラダ。悪くないが、少し短すぎる。タッパーからでてきたサラダが3枚と三角にカットされたアボカドと人参、10粒くらいのピーナツだけ。僕の周りでは、ミント風味のブラータや、トリュフ入りモルタデッラを囲んで、歓声が上がっていた。音楽と、数センチのスペース。
ここじゃなくても、楽しくて豊沃な食事ができることに気がついたのは、僕らだけではなかったはずだ。そこで向かった先が、ウィリーズ・ワインバー Willi's Wine Bar。営業していて、その笑顔もいい。
サービス
一人だけ。愛想はいいが、せかせかしていてストイック。
値段
サラダ3枚で9ユーロ。プティ・ヴァンドームのサンドウィッチ二つ分の値段だ。
行くべき?
僕が皆さんの代わりに行ってあげたわけだが、ご自分のマゾ度を試したいなら、是非どうぞ。
Frenchie
5-6, rue du Nil - 75002 Paris
予約なし
土日休
メトロ Sentier
Photos/F.Simon
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