パリの大通りから一歩離れて、小さなマルシェ・サントノレ通りに入る。パリ一すごい万年筆がならぶ Styl'Honoréを過ぎたら、モン・タブール通り。香水のフレデリック・マル、メゾン・ダレ、フェンディ等の店が、軒を連ねる。その道の奥、7番地に、誰にも見つけられないような小さなレストランがある。それもそう、店内は、サンドイッチみたいに狭く、バーカウンターが、その半分を占めている。そのカウンターの奥で、ママが料理をつくり、2人息子のユベールとミシェルがサービスを担当する。
まるで、無人島にきたみたいだった。ただ、一つ違う点は、その小さな島に、山ほどの客が乗っかっている、ということだった。近所の人、ペンキで染まったジーンズ姿の汗臭い塗装工、白いワイシャツの男たち。つまり、ノスタルジーあふれる場所。
「なんでこの店に通ってるかって?」客の一人が答えた。「それは、僕が小さい頃から来ていたからね。ここのフライドポテトは、昔から変わらないよ。」
卵マヨネーズが3,50ユーロ。量が少なく、マヨネーズもぼたっと重いが、文句はいえない。卵は、卵そのままで、ジャガイモが、どしんを僕らの胃袋を襲う。ローストビーフに、自家製フライドポテト。
「自家製で、新鮮だよ!」兄弟の片方が、声を上げる。
ママが作る本日の一皿(11,50ユーロ)は、余分なものがなく、愛情込めて作られ、うまかった。規則にそった加熱法と、その不恰好さがおかしいフライドポテトも悪くなかった。デザートのタルトも、自家製で、その日に作った鮮度が、伝わってくる。見た目は別にして、タルト生地といちごが、いいコントラストを描き、うまかった。
内装
こここそ本物!電気の遮断機、50サンチームのピーナツ缶自動販売機、タバコ屋にある丸いす、嘘の木目、または犬の体毛とでもいえる柄の長いす、黄色いパスティス色をした壁、ネオン、扇風機とニシンのジャガイモ添え。
価格
本日の一皿が11,50ユーロ、自家製イチゴタルトが3,80ユーロは、一昔前の値段。愛想がよくて、誠実。
行くべき?
Oui 。新鮮でパリらしい上機嫌を思い出すだめにね。
Au Petit Bar
7, rue du Mont-Thabor
75001 Paris
Tel : 01 42 60 62 09
7時~21時
日休み
バーではサンドウィッチのみも食べられる。
メトロ Tuileries 又は Concorde
Photos / F.Simon
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