きっと、生まれもったものなのだろう。髪を緑にそめても、いけない考えをもって歩いていても、ここでは、誰からも注意されない。優しくて、それでも風変わりな視線は、自然、時間、食べ物、季節、果物と魚をも通り抜けてゆく。
レストラン「根菜」での野菜がいい例だ。透明感あふれる料理が8品。親近感のある情熱がそこに表現されている。
尊重は、美的主義である。一点、一模様、一線、一滴、一粒の涙。
インターナショナルな高級レストランでも、それは同様。帝国ホテルのレストラン「レ・セゾン」。舌平目のショウガ風味のように、ティエリー・ボワザンがつくる料理は、清楚なジャンルそのもの。クレープ・スゼットの実演は、パリで披露されるそれとは、天と地ほどの差がある。これこそ、ユネスコに登録されるべき芸術だろう。
Konsai
6-26 Kagurazaka, Shinjuku-ku
Tel : 03 52 61 28 41
www.konsai.net
一人約 60€
Les Saisons 帝国ホテル
Photos/F.Simon