« Aux innocenys la bouche pleine » (Robert Laffont 出版)が本屋に並んだ。
なんと言ったらいいのだろうか。
心を込めて仕上げたこの本。その中に、僕の魂が隠れているかどうか、是非手に取って開いてみてほしい。
地区ごとに訪ねたパリがテーマ。その歴史や僕の人生なんかも組み込まれている。
短気で注文の多い、要するに性格の悪い同僚に食事へ連れて行かれるたびに、我に返って食べる料理に評価を下すことができる。僕の目的は、簡単に酸化せず、我慢強くて息も切らせないレストランを見つけること。
パリのレストラン「ルイ・ヴァン Louis XX」に予約を入れた時、このレストランが、サント・ジュヌヴィエーヴ山(店がある通りの名前)の山腹に、粘り強くしがみつき、その堅い饒舌を自負している様子を想像した。
高カロリー好きな正真正銘の悪党や、口先だけの空威張り屋どもが寄って集るようなレストラン。この類いの連中はたいてい、仔羊のもも肉を見ただけで、狼の子供みたいに優しくなり、骨の部分にまで火が入った舌平目を前にしただけで、涙もろい平和の白いハトに早変わりする。
しかし、皮肉の雨は、前菜の段階から滴り始めた。
テリーヌ風のパテは、膝の関節みたいに頼りなく、息切れしていた上に、気も抜けていた。
もっと最悪なのは、パンだった。
この物体が発散していた匂いは、全会一致で、使い古しの靴下、しかも26、5cmの男もののやつに違いない悪臭だった。
ちょっと冷めかけの牛の背肉と、この優しいくずパンを、一緒に口へほおばるシーンを想像するだけで寒気がしてくる。その上、メニューには書いてあったのに品切れだからといって、フライドポテトさえ食べられなかった。
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