今まで、アミューズ・ブッシュについて言いたい放題いってきた。
というのも、アミューズ・ブッシュは、僕らの食欲を鉛づけにするだけでなく、その存在のせいで、注文した料理が運ばれてくまでに30分も余計に待たなければならないからだ。
しかし、いつかやつらがぼくに復讐してくるだろうことはわかっていた。
シャトー・ド・キュルザイ Château de Curzay での出来事。このすばらしい場所は、昨日までの小さな宿があったあたりから、そうも遠くはない。
いつものように、僕は2つのお勧めアミューズ・ブッシュに飛びついた。というのも、ここには以前、足を運んだことがあったからだ。
その結果、20分後に運ばれてきたオマールのサラダ(36ユーロ)。アミューズ・ブッシュよりわずかに大きいだけのそれは、取り除けないムースに絡めつけられていた。そんなことだから、小鴨の主菜に願いをかけた。うまく調理されて悪くはなかったが、大して感動もしなかった。
翌朝。
朝食のテーブルには何人いただろう。10人?(ジャム、ブリオッシュ、パン、ヨーグルト、果物等々)いや、ぼくらは2人だけだった。村上春樹本とりんごが一つ。
ここ三日間、本が僕からはなれない。すこしだけど、車を運転しながらも読んでしまう。
物語は穏やかにすすむが、完璧な感受性が含まれている。主人公はビートルズの美味なある歌のフレーズを耳にして、過去の恋愛を思いおこしていた。
街道は、ぼくをバスク地方へといざなう。
ずいぶんと天気がいい。
Photo / F.Simon
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