ワインバーでよく見かける人物像。
カウンターのイスの上でくるくる回っている人。カウンターとワイングラスに縛りついている人。赤い目の情熱家。鋼鉄の肝臓をもって興奮し続けている人。そして常連客。
そんな客層の中で、ぼくはこの日「ジュヴニル」にいた。
ここが僕のお気に入りなのは、間違いなくティム・ジョンソンの人間性にある。そのお人好しな饒舌さ、自然な優しさは、他の店では見られない。
このスコットランド人は、そのアクセントのせいでロンドン出身だと誤解される。
しかし本人曰く、ロンドンのアクセントは、ただふつうに学校へ通うだけで、身に付くものらしい。そしてこれがその結果。
奥行きに長い店内は、客が多い日には奥まで入れない。
人気の秘密は、ティム・ジョンソンの店で、快適な時間が過ごせるからだろう。
客はリラックスして、軽く話し、イスを引いては上着を脱ぐ。
僕の場合、一度は正当に控えめに飲まなければ、と思うものの、未だに達成したためしがない。
数年前から、アントン・ラジャシンガンが謙虚ながら厨房にたっている。彼のおかげで料理が前より誠実になった。この日頂いた、蜂蜜風味の鴨の胸肉のグリルとグラタン・ドフィノワ、なめらかなサバイヨンソースがかかったクレモンティーヌのグラタンはうまかった。
太陽香がつよく、品種が明確で、すぐに酔っぱらってしまうワインを始め、その種類は数多いが、並んでいる銘柄は変わらない。
イタリア、プイユ産の A Mano Primitico 2006年、アルゼンチン、メンドーサ産の Terrazas de los Andes Malbec 2007年等、 値段はかなり控えめ。
エピスリーコーナーでは、マグナムの Saint Joseph 2005年が37ユーロ、Durand の勇壮なCornas 2006年が27ユーロ(店内消費は45ユーロ)で購入できる。
Juveniles, Tim Jonhston
47, rue de Richelieu - 75001 Paris
T. 01 42 97 46 49
日月昼休み
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Photo/F.Simon
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