この夜は、致命的だった。次々に運ばれてくるアペリティフの麻酔にやられて、感激的ワインメニューもつ、この店の席に着いたときには、ずいぶんいい気分になっていた。
そんな状態で、えびとズッ キーニの地獄のようなリゾットと、ヴェネツィア風のクトー貝の一皿を前にした状況を、想像してもらいたい。
この店だけに限った話ではないが、僕のお勧めは、その内容にかかわらず、率直さと新鮮度が問われる、本日の一皿料理である。かなりよかった。
ただ、ここは本当に人気の店だから、注意が必要だ。「予約が必要だった?」と面食らう客の表情を、一晩中目にする。だから、席を確保しているというだけで、幸福の荒廃効果が十倍にもなってしまうのは、言うまでもない。
あ、そういえば、店の住所を忘れるところ だった。
Vini da Gigio
Cannaregio 3628/A
Tel : 041 528 51 40
一人約70ユーロ
明日もまた、神の稲妻なみの店をご紹介。
Photos/F.Simon
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