時代は変わった。それに合わせて、ミシュランも変化する時期がやってきたらしい。パリ8区「プラザアテネ」内にあるアラン・デュカスのレストランで、先日ミシュランガイドのプレスランチが行われた。ミシュラングループから融資された、ミシュランガイドの代表、ジャン=ドミニク・スナール氏とその関係者は、現在のレストラン業界の状況を調べた上で、ガイドブックの指向変更を行う旨を発表した。ホタテ貝のトリュフ添えの後は、カンタル産仔羊の背肉を口にしながら、ガイドブックの売り上げ低下(2011年は22%減)の事実を受け止め、ライバル社と同様、インターネット市場に乗り出すらしい。今後、ミシュランガイドは、ネット上で閲覧でき、その閲覧者もコメントを残すことができる、というものになる。
悲観をかうことは目に見えているが、ゴーミヨガイドや、そのパートナー、lafourchette.com と同様、ミシュランからセレクトされなかったレストランも、写真やメニュー、割引券付きで、ミシュランのサイトにリストアップされることができる。基本的に、このサービスは無料であるが、写真掲載やその他の作業に、月々69ユーロを支払う必要がある。
何でもありな、インターネット上を飛び交うコメントに対して、ミシュランガイド側も、ナイーブではない。コメントが信用できるものであるかどうかを確認するシステムを、設置する。ルレ・ゼ・シャトー副会長のドミニク・ロワゾーも、ミシュランのサイトに掲載されるレストランは、すべて、ミシュランの者がテイスティングしたことを明細するべきである、と語る。
ミシュランガイドは、今年、扉を開けて大きな第一歩を踏み出し、ようやく前進したと言えよう。
この変化は、10年前なら考えられないことだ。
時代は変わった。ミシュランガイドブックは、単に解読が難しい、にとどまらず、もはやどこに属しているのか把握できないガイドブックになってしまった。
Photos/F.Simon
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