ブレイツ・カフェ Breizh Café で、クレープが、ようやくその名誉を取り戻したようだ。
実際、クレープはいつも中途半端な位置にいた。
サンドウィッチよりも需要されるべきだったし、みんなが大好きなパニーニのフランス版として扱われるべきだった。持ち運びのきく、小さくても誇り高い凱旋門。
そんな理屈のわかった頭の回転のイイ奴が、この世で一番効率がよく、なおかつ心のこもった食べ物をダシに、生活を立ててしまう。木製の長椅子に、家族連れや観光客を押し込んで、なんともひどくて空に近い冷蔵庫をバックに、水、小麦粉、バター、ハムだけで、店のレジスターを満腹にする様子が目に浮かぶ・・・。
でも実際は、馬鹿にされて、笑い者になって、空き地や砂浜を引きずり回され続けるクレープ。財布の薄い輩の熱烈な支援と、「クレープはグルメだ」と信じ続けている胃袋がなかったら、今頃、床拭き雑巾扱いされていることだろう。
そんなこととは裏腹に、クレープ屋は、大抵生計が成り立っている。
実際、クレープは、滑稽な位置にあるかもしれない。
一方では、子供だましの食べ物であり、もう一方では、心優しい人にしか救われない、忘れ去られた食べ物・・・。
結局は、大して深く考えるほどのことじゃない。材料でさえ、たったの水や小麦粉だけなんだから。
それに、ちょっとだけ愛情なんかいれてしまったクレープ屋が、ブレイツ・カフェ Breizh Café。明細は、次のアッシェ・ムニュにて。
Breizh Café
109, rue Vieille du Temple - 75003 Paris
Tel. 01 42 72 13 77
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