不機嫌な天気とポストカードの風景は、相性の悪いことが断言できる。
真っ暗な海水浴場を前にしたら、僕が不愉快な思いをしていることさえ申し訳なくなってくる。
ともかく、僕は取材をすすめた。
しかし、跡形はすでにはげ落ちてしまい、その時代を生きた人の証言よりも、僕が集めた資料の方が詳しい始末だった。
アメリカンバーは?レストランは?パズルを組み立てよう。
宵は静かでひんやりしている。
延々につづく犬の鳴き声が、それにアクセントをつけていた。
その内、犬が何を言いたいのか知りたくなった。
ワンワンワン。ワンワンワン。
明日の夜も続くのだろう。
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