マルク・ヴェラの料理が好かれるわけは一体なんだ?
それは、彼が異常にずる賢いシェフであることが関係していよう。ガストロノミーがどんな構造かを、完全なる独学で把握した。彼の習慣、彼のシェフ達、彼のガイドブック、そして歴史の流れから。
彼は時代の流れを読む能力に本当にたけている。
彼はただすぐれた観察者であっただけなのに、みんなが声をそろえてマルク・ヴェラは天才であると仰ぎたてた。こうして彼は、流れる溶岩の中に居て、料理界の正真正銘なる首謀者の地位を獲得した。
彼の「先見者」という能力は、主に彼へ影響を与えたシェフ達のおかげである。
山で穫れるハーブは、ラギヨルのミシェル・ブラから、クラシックな地元料理と文句たれのずうずうしさは、ジャック・マキシマンから、そしてフランス国内で展開されている分子料理はフェラン・アドリアから。
ヴェラは、フットワークのかなり軽いシェフだ。コンプレックスがないともいえよう。土地の産物との一致に注意を払いながら、食材の味を強く尊重し、料理する。フランソワ・クープランが作る、根菜、香草、食用野花等々がそのベースだ。
「フランソワ・クープランは世界一の植物学者だ。僕がこの業界で進歩できたのも、前代未聞のアイデアを運んでくれたのも、彼のおかげだろう。」
マルク・ヴェラは、その厚かましさや時代、彼らしいずる賢さを鼻で笑い飛ばし、サーカスの魔術師みたいにメディアを操る。そんな魔法使い的気さくさを持ち合わせた男である。
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By F.Simon
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