数日前のフィガロ紙で、リヨンにあるおすすめレストラン特集が掲載された。同僚のアレクサンドラ・ミショーと共に、著名店から秘密の店まで、調査し食べ歩いたものを、ここでもご紹介。
長年、リヨンはその栄誉に関して右に出るものはいない、と思い続けてきた。強情な鉄人ガードマンが、真剣にこの町をかくまっていたのだ。その名も、ポール・ボキューズ。
町自体は放し飼いだったにせよ、長い目で見てみると、実は南京錠がしっかりかかっていた。
しかし、時は流れて、ポール・ボキューズもようやく降参し施錠をはずした。彼は今でも健在ではあるものの、若い世代へエールを送り、彼らへこの愛しい故郷へ戻ってくることを、常に呼びかけている。
その結果、ヌーベルヴァーグが訪れて花咲かせ、前世代のパラノイアを感じることなく、仕事ができるようになった。
舞台はすっかり解放され、ニコラ・ル・ベッ クのような才能あるシェフがその地位を確かのものにし、無数のグルメなレストランが、さまざまなスタイルで誕生した。
Le 126, Ourson qui Boit, Magali et Martin そして、すでに著名なGauvreau, Mathieu Viannay, chez la Mère Brazier 等々。きっと、今年最高のニュースになるに違いない。
クリスチャン・トゥトゥドワは失態だった。それでも、唯一の救いといったら、客席からの眺望だろう。
きっと、鱸の切り身に海草とカブのタルタル(38ユーロ)以外のものを、選ぶべきだったのだ。うまくもなく、デザインにこった円筒状の形をしたそれは、火の入れ方さえまばらだった。
内装は味があって、客層もそれを期待してるのだろう。古代リヨンの歴史ある町並みの中に位置する、アンチィカイユ界隈から眺めるその眺望だけは、最高だった。
Christian Tetedoie1, rue de l’Antiquaille, Chemin neuf - 69005 Lyon
Tel : 04 78 29 40 10
無休 一人約80ユーロ
Photos/
F.Simon