オデオンの交差点から少し入った場所に隠れているこのレストランは評判高い。
強引な流暢さと車のバンパーみたいに上機嫌のイタリア風サービスは、客にそのゲームに入ることを余儀なくさせる。
このタイプのレストランは大抵、そんな雰囲気に満足してしまって料理はまずい。
しかしここは違う。
ポルトガル風のランギーネは歓喜とともに腹がいっぱいになる。
ティラミスとカラフのワインもなかなか。快適なサプライズだった。
社会党の人がよく来る場所ときいたが・・・。
Marco Polo
8, rue de Condé – 75006 Paris
T. 01 43 26 79 63
１人約３５〜４０ユーロ
Photo/F.Simon
僕が、小銭や栄冠や平手打ちをあちらこちらに振りまき歩き、自己主張ばかりしている人間だと思わないで頂きたい。
僕は永遠と疑問を持ち続けるタイプである。
「ロジェ・ラ・グルヌイユ」について僕が記載した批評に対する反感を耳にしたとき、僕は躊躇なくこのレストランへ再度足を運んだ。
何がだめかって？
最善をつくしていないことと、不注意からいい品質を見過ごしてしまっていること。
確かに、赤ピーマンのムースとパルメザンのチュイールでできたこのトルトゥーのレムラードを前にしたら、我慢できずに飛びついてしまう。それでもそれを一度口に運べば、重たくてコンパクトすぎて繊細さに欠ける料理に遭遇する。
そんな一方、ニース風のカエルのもも肉はいい色がついた上に味もよく、ちゃんとした料理に仕上がっていた。
しかしまた、デザートのババオロムで再沈没。洞窟の奥深くで疲れきったババと爆弾みたいなホイップクリーム。
悲嘆。
ほらね。確かに前回の批評は辛口すぎたかもしれないけれど、現実からはそうも遠くはない。読者の意見も正しいけれど、僕の感想も完全に的を外れたものじゃないだろう。
２人で１６９ユーロは普通ともいえないしね。
前回の評価
Roger la Grenouille
26, rue des Grands Augustins - 75006 Paris
T. 01 56 24 24 34
Map
Restaurants Paris 6
Photo/F.Simon
どうして、どうしてだろう。
いい時間を過ごしてしまうと、とことんそれを追求したくなってしまう。
友人のフレデリック・ボナールと新しくオープンしたレストラン「パッサージュ５３」を後にしたとき、彼のスクーターの座席の上で僕はあることを思いついた。
そんなわけで、僕らはリュプリックへと方向転換し、えもいえぬレストラン「キャルテ」へと向かった。
改めて言っておくが、僕らはすでに一式の夕食をすませていて、ワインもいい銘柄ばかりを空けていた。それもそのはず、僕の連れはフランス映画界の頂点とでもいえる友人との食事を兼ねていたからだ。
夜の１０時半にこのレストランのドアを押した時、僕ら以外に人気はなかった。
ムース・オー・ショコラとシャトー・ヌフ・デュ・パプで再出発。
その後ははっきり言ってあまり覚えていない。
遠くに見える青い回転灯や建物のコード。ベットへ斜めに倒れて寝入ったことは覚えている。
ともかく、キャルテは営業が終わる時間にサービスが始まることでも、パリにある珍しいレストランの中の一軒だ。
尊敬！
Cartet
52 rue de Malte - 75011 Paris
T. 01 48 05 17 65
Map
パリ１１区のレストラン
Photos/F.Simon
いいレストランを見つけた。みなさんの好みにも絶対に合うと思う。もし僕がこの近くに住んでいたら、僕用のナプキンリングを作ってもらえていたに違いないくらいだ。
うまくて温かくて、この店こそレストラン業界と和解できる場所。１５席足らずの店内は決して広いとは言えないが、なんと感動的なこと！
この日は仔羊の肩肉と人参の透明感ある一皿を頂いた。慎重に加熱された仔羊と人参、少しの玉ねぎに、料理を壊さないソース。
単にそれを尊重して、よじ上りすぎず、カラフルな剣でむなさない料理。それ自身がもつ表現や軌道に耳を傾け、もしろその仲裁に入った料理だ。
１つのレシピはそれが進むべき道を歩まなければならない。残るものは虚栄心だけだといえる。
写真の前菜は、透明感のあるズッキーニとモッツァレラ。
フェデリカとファブリツィオが僕らの食欲を横目で見張る。
仔羊の肩肉の料理が運ばれた途端、「セルフィーユと一緒に召し上がられますか？」との一言。
まもなく、ちぎりたてのセルフィーユが運ばれてきた。
１人３０ユーロから。
Caffè dei Cioppi
159, rue du faubourg Saint Antoine - 75011 Paris
T. 01 43 46 10 14
土日と月火の夜休み
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Photo/F.Simon
昨夜１２区にあるこの店を発見した時、これは読者に最適だと直感した。
新しくて新鮮で単純にうまい店。
蒸し豆腐、豚肉のスペアリブ、麺類に牛肉、餃子、豚肉のグリル、３０分間蒸し煮した鶏肉と栗のキャラメル絡め等々、全部うまかった。
シェフは、パリの星つきレストラン「シェン Chen」出身らしく、ここを開いたのは彼が今までしたかった料理を実現させるためらしい。シンプルで風味深く自由な料理。
この日は客足が少なかったから、なおさらお勧めしたい一軒だ。
Shan Gout
22 rue hector Malot - 75012 Paris
T. 01 43 40 62 14
僕らは３人で７５ユーロだった。
Map
Photo/F.Simon
おかしな話だが、僕はいい店を見つけると何度も通いたくなってしまうたちだ。こすり続けていたら、また新しい事実を発見できそうな気がしてならない。
それはきっと、絵画修正を仕事としていた女性とつきあった経験が関係しているからに違いない。僕らが暮らしていたアトリエで、溶剤が湯気を上げる中を彼女は絵画に近づいていく。ポートレイトの下からもうひとつのイメージが浮かび上がる。耳たぶに直角に張り付いたもの。宝石。
レストランにしても要は同じだ。今のヒットはここ「クリムリー」。この一週間で二度も来たから、もういい加減やめよう。
ブラタチーズはひっくり返るくらいうまいし、野菜の重ね焼きも同様。ヨー島産スモークされたマグロ、ステファン・バリーのヤギのフレッシュチーズに、打ち砕かれるようなワイン達。
席数少なめ。
La Crèmerie
9, rue des Quatre Vents - 75006 Paris
T. 01 43 54 99 30
日月休み
営業時間１０時〜２２時
www.lacremerie.fr
Map
Photo/F.Simon
ラード入り野菜のココットには降参した。
ココットの底に残ったとろりとして香りのいいソースをなめ上げる快感。
ここはカーサ・オランプ。今週の極上レストランに即決。僕の連れも全会一致した文句なしの料理だった。タイム風味の舌平目、帆立貝、栗のクレープ等々。
Casa Olympe
48 rue Saint Georges - 75009 Paris
T. 01.42.85.26.01
Photo/F.Simon
お気に入りのレストランに再度足を運ぶことは、毎回何か恐れ深い。
ステラマリスのシェフであるタテル・ヨシノの逸品、ジビエのトゥルト（５６ユーロ）みたいな料理をまた味わいに向かった時なんかはまさに。
野生の鴨肉、キジ、鹿、フォアグラそしてトリュフが顔を出すトゥルト。仕上げはなんといっても、鹿とキジと鴨のガラをカオール産の赤ワインとジビエの血で煮込んだ、地獄からでてきたみたいなソース。
こんな一皿を平らげた後は、もうベットへ直行するのみ。
Stella Maris
4, rue Arsene-Houssaye - 75008 Paris
T. 01 42 89 16 22
Map
Photos/F.Simon
パリに数あるレストランの中でも、よく話題に出てくるレストランがだいたい決まってくることは興味深い。
１８区にあるミロワール Miroir 、そしてヴィエイユ・ドュ・タンプル通りにあるグルー Glou。その中に今後はこの店も仲間入り。店の名は「アンテテ L’Entétée」。
気のきいたフレッシュなビストロだ。写真のエイのサラダみたいに、市場の食材を使った女性的な料理が頂ける。
うまくてばか高くない（３０ユーロ台）。
今日のお勧めレストラン。
奥の厨房に近い４人席がお勧め。少し短いワインメニューが残念。
L’Entétée
4, rue Danville - 75014 Paris
T. 01 40 47 56 81
Web
Photo/F.Simon
