夜のサービスで、デギュスタシオンメニューしか出さないこと。
この日は、ナントに新しくオープンしたレストランへ向かった。子供連れだったから、デギュスタシオンメニューではなく、一皿だけ注文したい、と願い出る。45分以上も待たされた後、運ばれてきたのは、ミニュチュア料理。その上、デギュスタシオンメニューの全価格が請求されるはめに。
レストランという場所は、昔よくあった、宿屋のようなエスプリを持たなければならない。客が遅くに戸を叩いても、必ずハムやチーズやパンや、少々のワインや、そして何と言っても、最高の笑顔が客を待っている場所であるべきなのだ。リンゴが食べたいとか、もっと酒が欲しいとか、マッチがほしいとかいう客の要求を、受け入れてくれる場所。
今時のレストランは、著名人、無名人、時間のない人、快楽主義者、カップル、そして赤ん坊、どんな客にも対応してくれる場所であるべきである。どうも、レストランが、耳栓をしたシェフが大声で歌唱する、自閉症的なトンネルに似てきたと、思われてならない。
By F.Simon