伝説の一品
パイ生地に包まれた、トリュフスープのVGEは、1975年、レストラン開業以来、店のメニューから外れたことがない。始めにこの料理を食べたのは、当時の大統領ヴァレリー・ジスカールデスタンだった。ポール・ボキューズが、 レジオンドヌール勲章を得た直後の出来事。
サテライト
ボキューズは、ジョルジュ・ブランに、奇妙なライバル心をもやしているようだが、リヨンの町で、東西南北に自分のブラッスリーを作ることで、そのエネルギーをゆるぎないものにした。
www.nordsudbrasseries.com
お気に入りの道具
オピネル。子供の頃に初めてもらったナイフらしい。市場に行くときには、いつも持参する。
失敗
ポール・ボキューズがよく口にするフレーズがある。
「料理は、成功したと思った矢先に、失敗がわかる。」東京でのデビュー、特にパン屋での経験がそうだった。始めは、うまいとは決して言えるような店ではなかったが、ヒラマツとパートナーを組んで以来、かなりよくなった。失敗を確信する瞬間。ソーセージのスープが、ブーダンの真っ黒なスープに終わってしまったような、期待していなかった結果。
彼のお気に入りレストラン
Léa
10, route d'Etrez
01340 Montrevel-en-Bresse
Tel : 04 74 30 80 84
Ristorante dal Pescatore Santini
Località Runate,
Riserva del Parco Oglio Sud,
46013, Canneto sull'Oglio, Mantova, Italie
Tel : 00 39 03 76 72 30 01
Daniel
60th East 65th Street
New York, N.Y.
10065, États-Unis
Tel : 00 (1) 212 288 00 33
弟子たち
ローヴェルニュの鍋から巣立って行った料理人たちは、フランスや世界各国でも活躍している。その中でも、
Pierre Orsi
dans son restaurant éponyme
3, place Kléber
69006 Lyon
Tel : 04 78 89 57 68
Marc Haeberlin à L'Auberge de l'Ill
2, rue Collonges-au-Mont-d'Or
68970 Illhaeusern
Tel : 03 89 71 89 00
金持ちの貴族を装い、ポール・ボキューズのレストランで貯金箱を破裂させたいなら、一人230ユーロのグランド・トラディションメニューがおすすめ。VGEスープ、フェルナン・ポワンの麺がついた舌平目、トリュフの入ったブレス産の鶏肉、チーズとデザート。きっと、後悔はしないはずだ。それもそのはず。パリの同等レストランに比べたら、価格が半分くらいな上に、忘れられない料理になるに違いないから。一方、145ユーロのクラシックメニューも、悪くはなくて、おもしろい。
お泊りは、レストランの近くにオープンした、「 Docks Ouest」へ。一泊82ユーロから。
Photos / F.Simon